マイナス金利政策下で、銀行業界は収益をあげる体質が大きく損なわれ、非常に厳しい転換を迫られています。これは、地銀だけでなく、メガバンクも同様です。かつてのビジネスモデルが通用しなくなった今、銀行が生き残っていくためには、どのような戦略を打つべきでしょうか?
関連サービスによる収益源の確保
預貸金の利回り差で稼げなくなった状況では、他の収益源を確保していくしかないですが、全くの銀行業に関わりのない事業を行うことは、大きなリスクを伴いますので、関連業務を伸ばしていき、収益源を確保することになります。
金融のスペシャリストとのしてのアドバイザリー業務は、銀行のノウハウを活かした収益源ですが、コンサルティング業務は、クライアントからお願いされる業務であり、法令等で義務化されている訳ではないため、仕事を取るためには、営業力が必要です。
また、ブランド力は、人的リソースの少ない規模の小さな銀行は、大手との競争に勝つことが難しいため、自社に合った顧客の選別も重要になります。
富裕層向けサービスや、企業のM&A案件など大きな収益源となるサービスを勝ち取ることにより、経営を持ち直していくことも可能でしょう。
技術革新への対応
フィンテックのサービスのように、技術革新のスピードの速さは、銀行にとって、脅威でもあり、チャンスでもあります。
資金力のあるメガバンクなどは、自社で、AIやフィンテックなどにいち早く対応することができますが、地銀などの規模の小さな銀行は、ベンチャー企業と組むなどして、その変化に対応していくことになるでしょう。
また、銀行自体が、新しい技術を使用した今までになかったサービスを開発することも、大きな収益源をもたらす可能性があります。
銀行ビジネスの、根本的な見直し
これら大きな変化においては、従来のビジネスを大きく見直す必要があります。お金を貸すだけなら、他の事業者でも行うことができるでしょうし、資金決済などは、仮想通貨が主流になるかもしれません。
銀行は資金というインフラを通じて、企業を成長させ、我々個人の生活をより豊かにしてきました。目的は変えずに、手段を変化させることで、銀行としての新たなビジネスモデルを築き上げることが、未来の銀行に求められることになるでしょう。