企業業績が向上し、株式市場は好調であるものの、まだ、デフレ脱却には至っていません。その理由としては、給与が増えないため、消費が増えない。また、小規模・零細企業の業績は未だに厳しいといったところが共通の認識でしょう。
選挙戦でも、アベノミクスの成果が問われていますが、大企業・富裕層では、景気回復の兆しはあるものの、庶民の暮らしが豊かになり、将来に対する大きな希望を持って生活できているかというとクエスチョン・マークがつくのが現状です。
なぜ、給与が上がらないのか
企業業績が向上しても、それがなぜ給与のアップに反映されず、内部留保として蓄積されるのか。もちろん、企業もまだ、将来に対して楽観視しておらず、有事の時の蓄えをするという意図もあるでしょう。
しかし、一番の理由は、給料を上げなくても、従業員が辞めないからです。
もし、もっと給料の高い会社へ転職したり、起業して、大成功し、大金持ちになるという選択があるのなら、今の会社を辞めて、そちらを選ぶでしょうが、それをしないというのは、会社を辞めることの方がリスクが高いと感じているからです。
従って、現状の給与で、なんとかやりくりしていくことしか、事実上の選択肢はなく、節約志向は続き、デフレからいつまでたっても、脱却できないことになります。
選択肢を増やすために
従って、デフレ脱却のためには、従業員の選択肢を増やすことが必要です。今、従業員の副業を認める会社も少しずつ増えてきていますが、それも、選択肢を増やす一つです。
会社な重要な戦力となっている従業員が、退職していくのは、会社のとっては痛いですが、その人がより自己実現を図り、もっと高い価値を世の中に与えることは、本人にとっても、社会にとっても有益であるはずです。
会社ができることは、どこにいっても恥ずかしくないよう育てることではないでしょうか?さずが、この会社を経験しただけのことがあると言われることは、会社にとっても大きな誇りであるはずです。
来るものは拒まず、去る者は追わず
一方で、他から希望して移ってくる従業員は、性別、年齢、国籍など関係なく、その能力を認めて、積極的に受け入れることです。
先日、大河ドラマで、家康が、よそ者である井伊虎松を登用し、チャンスを与え、それにより、組織をより強固にしたいのだという場面がありました。
企業も、積極的な別の血を入れることで、多様性が増し、よりよい組織になっていくのです。
挑戦するチャンスは、誰にでも必要
どんな人にでも、挑戦するチャンスは、与えなければいけません。一部の既得権益者が利益を独占するような社会が、良くなるはずがありません。
賢い経営者であるなら、きっと理解できるはずです。もし、そうでなければ、その会社は、たとえ伝統のある一流企業であっても、必ず衰退し、いずれ消えてなくなることでしょう。