今年も、上場会社の株主総会がピークを迎えています。業績が良かった会社、大きな問題が勃発しした会社等、それぞれの事情に応じて、株主からの質問も様々です。
また、今年は、相談役、顧問の存在意義が問われる総会となっています。
個人株主にとって、株主総会は、投資先の会社について、理解を深めるいい機会ですし、会社側にとっても、株主との対話のための貴重な場所となります。
個人株主が、総会をよりよく活用するためには
個人株主が、貴重な時間を割いて、株主総会に出席し、質問を述べる機会が与えられますが、それに際して、株主側もわきまえておくべきことをいくつか、記載します。
1.事前に、HPで会社が公表しているIR資料には、目を通しておく。
財務の知識を持っていない、一般株主にとって、決算短信等の財務資料を読むのは、苦痛かもしれませんが、決算発表時に公表されている、決算説明会資料(パワーポイントなどで作成されている)、また、中期経営計画の資料は、目を通しておくべきです。
2,質問の内容をあらかじめ、考えておく。
行き当たりばったりや、感情に走った質問では、的を得た回答を得られない場合も多く、他の株主にとっても、迷惑になることが多いので、事前に冷静な頭で、質問したい事項を、会社の資料を参考にしながら、考えておくべきです。
3.質問は、簡潔に。
質問するのは、自分一人ではないため、他の株主も考慮し、簡潔に行い、また、自分一人だけでなく、他の株主も共感できるような内容とすべきです。
これらは、株主として、質問を行う上で、守るべき最低限のマナーです。
会社側の対応
会社側も、株主総会を株主との対話の貴重な場と捉え、形式的な話に終始するのではなく、ビジュアルも工夫するなど、より、株主総会が開かれたものに、なってきていると感じます。
株主からの率直な意見は、今後の会社経営にとって、大きなヒントを与えてくれるはずです。
そのためには、株主と正面から向き合い、ありのままの会社の姿や、経営陣の姿勢を堂々と見せ、株主と対峙することが、必要です。
また、会社のビジネスをわかりやすく説明し、会社がこれからどこへ向かおうとしているのかを示し、株主の理解を得ていくことで、より会社の成長発展が図られていくことでしょう。
社外取締役について
社外取締役の機能が重視されていくにつれ、社外取締役が、株主総会で発言する機会も増えていくことになります。
その際、会社について、あまりにも、無知であることが知れると、株主からの信頼を失墜することにもなりかねません。
社外取締役を受ける以上は、その会社のビジネスついて、よく理解した上で、外部者としての知見を発揮することが必要です。
今後の総会のあり方について
まだ、総会に出席する個人投資家は、仕事を引退して、時間を持て余している高齢者層が多く、投資家自体も、もっと現役層が増えるべきで、そのような人達が、時間を割いて、株主総会に出席し、鋭い質問を投げかけるような風土になれば、もっと、株主総会は開かれたものになり、株主総会の意義も、より高まると考えます。