日本企業が解決すべき、3つの問題点

日本の企業が、抱える問題点として、どの企業にも、概ね当てはまるものは、①低成長時代における持続的な成長②ホワイトカラーの生産性の向上③人事戦略です。それぞれについて、解決すべき問題点、解決の糸口を挙げていきます。

低成長時代における持続的な成長

日本の人口がこれから将来にわたって、減少していく中、顧客を増やし、売上を伸ばしていくことは、容易ではありません。特に上場企業は、株主からの株価や配当の上昇の期待が強いため、大きなプレッシャーとなります。

そのため、海外に販路を求める、新規事業を始める、M&Aで事業を買うなど様々な戦略を立て、それを実行しています。それでも、円高の逆風もあり、企業業績を継続的に伸ばし、右肩上がりの成長を続けることは、すべての企業にとって大きな課題となっています。

一方、アメリカに目を向けると起業家精神の強い国柄から、シリコンバレーを始めとして、新たな産業が経済成長を支えています。では、日本にシリコンバレーのような場所を創ればいいのでは、とも考えますが、単一民族の集まる日本で、なかなかそのような場所は、生まれません。

では、新しい産業は日本から生まれないかというと、日本人の得意な逆輸出により、アメリカやヨーロッパ発祥のものを日本で、アレンジし、洗練させ、コストを下げ、より売りやすい形で、海外へ売り込み、グローバルな地位を獲得するという手法は、向いています。

自動車産業が典型ですが、他の産業においても、逆輸出できる産業が、まだまだ豊富にあります。このように、日本の得意な手法で、より高度なニュービジネスを創り出すことはできます。

ただ、輸出に頼っていると、今回のイギリスのEU離脱の影響のように、当事者のイギリスやヨーロッパの会社の株価より、日本の会社の株価の方が下落するという、おかしな現象が出てきてしまいます。本来、いい商品・サービスを出し続け、顧客数が増えていれば、為替の変動とは無関係に、企業価値は、上がっていかなければなりません。

そのためには、真のグローバル化を目指し、世界最適を考えた、生産・物流・販売戦略が必要となります。

ホワイトカラーの生産性の向上

日本のホワイトカラーの生産性は、欧米に比して、まだ低いと言われています。生産性の向上のためには、最新の技術を駆使したITインフラを普及させるだけでなく、働き方(ただ、会社にいるだけでなく、何をやり、どのような成果をあげたかを重視するなど)の工夫も必要になります。

間接部門も含めたホワイトカラーの生産性を向上させることにより、仕事の質をより高め、コストを抑えて、より競争力の高い、商品・サービスを提供することが可能になります。

人事戦略

人事戦略と言っても、幅が広く、人の採用、人材育成、給与体系の整備等、実に様々な課題を含んでいます。

日本の人口は、前述のように減少していき、働く人は、減り続ける中、女性をもっと有効に活用したり、人工知能のような技術を、より発達させていくことは、大切ですが、それだけでなく、世界中から人材を求めることも、必要になってきます。

また、役員や、後継者選びについても、社内だけでなく、社外にも有能な人材を求めていくことがより増えていくでしょう。それにより、人材の流動性が高まり、企業に多様性が増すことは、新事業開発等の成長戦略に有効です。

以上のような、企業の持続的な成長を目的とした、グローバル戦略、ホワイトカラーの生産性の向上、人事戦略は、これからも、企業の最重要課題として、取り組み、常に改革を行っていく必要があります