企業の最大の資産とは?

バランス・シートには、載らない資産

企業の最大の資産は、何でしょうか?

資産というと、バランス・シート(貸借対照表)に計上されている、資産を思い浮かべますが、企業の価値を生み出す源泉として、資産を捉えるならば、資産の範囲はもっと広がります。

昔から、人、物、金は、企業の3つの経営資源と言われてきました。このうち、人は、貸借対照表には載りません。でも、企業の価値は、経営者や、従業員が生み出すので、資産と捉えることができます。

大前研一さんは、ご講演で、今は、人、物、金でなく人、人、人だとおっしゃっていました。確かに、Google、Facebookのような会社は、物は売っていないですし、Uber、Airbnbは、シェアリング・エコノミーにより、物を持たずとも、サービスを提供しています。また、クラウド・ファンディングのような形で、元手がなくとも、資金調達することが可能となりました。

事業にとって、最も大切なものは?

では、人が、企業にとって最も大切な資産でしょうか?

企業価値は、人が生み出す企業の商品・サービスが優れていれば、高いと言えるでしょうか?

答えは、Noです。

商品・サービスがいかに優れていても、お客様から支持されなければ、事業としては成り立ちません。ドラッカーの言うように、事業とは、お客様を創り出すことだからです。

企業にとって、最大の資産は、お客様

お客様は、企業に多くのキャッシュ・インをもたらし、また、広告塔として、企業の価値を、より大勢の、見込み客に広めてくれます。

企業がどのようなお客様を有しているのかこそは、企業の価値を表し、企業の見えない資産となっているのです。

人は、付き合っている人を見れば、どのような人物かわかると言われるように、企業も取引先を見れば、どのような企業であるかということが、わかります。

お客様を増やしていくために

従って、どの企業であれ、新規顧客の開拓は、大きな課題です。しかし、新規顧客の開拓は、簡単なものではありません。既存のお客様の維持と比べて、新規のお客様の獲得は、多くのエネルギーを費やします。

ただし、眠っているニーズ、堀り起こすべきニーズは、数を多くあり、どこに着眼するかにより、大きな顧客獲得の機会ともなります。

先進国においては、物や、サービスが溢れているとは言え、今だに満たされていないニーズをいかに、見つけ出していくかが、ビジネスの成否の大きな鍵となります。