起業と、これからの産業について

日本人は、起業志向が弱く、産業を活性化させ、国際競争力を高めるために、起業する人を増やし、開業率をもっと高めるべきということで、さまざまな施策が行われています。

しかし、開業率は、いっこうに向上していません。

これもアベノミクスの成長戦略が、うまくいっていないと言われる要因の一つとなっています。

起業は、大きく2種類あり、イノベーションによる起業と、地域顧客の現状のニーズを満たすための、起業があります。

どちらも、重要ですが、産業の活性化と国際競争力を高めるのは、イノベーションによる起業です。

イノベーションによる起業とは、新しいテクノロジー、ビジネスモデルを使用し、大きな成長志向を持って起業することです。

近年は、インターネットを使ったビジネスで、新たな顧客を創造するモデルが多いです。ただ、インターネットの世界は、すでにGoogleが支配しており、まだ、成長していくでしょうが、成熟化しつつあります。

その後は、人工知能、ロボットなどの新しいテクノロジーを使用したモデルとなるでしょう。

ただ、このような技術がないと、イノベーションを起こせないかというと、そんなことはありません。ちょっとした身近なものから、新しいアイデアが生まれます。イノベーションは、ICTの分野に限らず、さまざまな業種、また、民間だけでなく、行政など、あらゆる業界で、起こすことができます。

イノベーションを起こすためには、こんな社会であったらいい、こんな仕組みがあればいいという、未来への夢や願望が必要です。現在がどうであろうと関係なく、未来への夢を抱くことが、イノベーションを起こします。技術は、後からついてきます。

イノベーションを活性化させる取り組みが、ビジネススクールや、企業でも行わていますが、イノベーションは、人為作為的に起こせるものではなく、一人の人間の強い想いから生まれます。そのような人物は、往々にして、社会や組織のアウトサイダーであり、既存の世の中の仕組みを、変革させます。

どこにそのような人物がいるのかは、わかりません。大学の研究室とは、限りません。海でのんびり釣りをしているかも知れませんし、子供のおむつを一生懸命替えているかもしれません。

起業家を発掘していくのは、起業家を支援するベンチャー・キャピタルや、コンサルタントなどの専門家です。変革なんて、とんでもないと内心思っている組織人には、慧眼を持って、起業家を見出すことはできないでしょう。

日本人は、もともと優秀なので、きっと、これから、イノベーションを起こす人達が多く現れ、世の中をより良く変えていくと信じています。