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いい経営者の条件

会社は、経営者によって、9割方決まってしまうというのが私の持論です。これは、中小企業だけでなく、大企業にも当てはまると考えています。従って、経営者の資質が、その会社の命運を握っていると言えます。

では、経営者にとって、必要な資質は、どのようなものがあるでしょうか?年齢、学歴、性別は、私は一切関係ないと考えます。しかし、以下の3つ要件が、必ず必要です。その3つは、「即断即決」「客観的な視点」「ビジョンと理念」です。

即断即決

残念ながら、経営者でも、即断即決ができず、物事、特に嫌なことを先延ばしする傾向にある人は多くいます。そのような人達に共通して感じるのは、時間の価値を過小評価しているこということです。熟考に時間をかけているために、遅れている訳ではないのです。

時間は、すべての人にとって最も貴重な資源であり、お金以上に大切なものです。そこがわからずに、わずかな金を失うの惜しんで、もっと大切な時間を失って、経営上の損失を膨らませたり、重要な機会を損なうケースは、枚挙に暇がありません。

いい経営者に共通するのは、決断の質が高く、スピードが速いことです。これは、意識的にそのように訓練させているからだと思います。

上記のことから、いい経営者の第1条件は、即断即決としました。

客観的な視点

これはどのようなことかというと、自分自身は、自分の会社をまるで、他人が見たような目で、冷静に評価し、その結果に基づき、戦略を立てることができるということです。

人は、なかなか自分中心の考えから、離れることはできませんが、いい経営者は、顧客やユーザーの視点に立って物事を考えることができる素直な視点を持っているからこそ、次々と素晴らしい商品や、サービスを生み出し続けていると言えます。

ビジョンと理念

最後は、ビジョンと理念です。自分は、なぜこの事業を行うのか、この事業によって、世の中にどのようなインパクトを与えるのかを、優れた経営者は、常に意識しています。そのため、たとえ、上場会社であり、株主から利益に対する圧力がかかっても、決しぶれることがありません。

この点がぶれると、どんな立派な会社でも、不正に手を染めたり、非人道的な手段を行使するようになります。これは、決して、綺麗事なのではなく、事業を行うことの本質を経営者が理解しているかどうかなのです。たとえ、創業者でなくても、経営者は、自社の事業の本質を理解していなければなりません。

以上、3つをいい経営者に必須の条件として、挙げさせていただきました。

いい経営者がもっと、もっと増えていくことで、日本経済はさらに発展し、人々の生活も豊かになっていきます。

そのためには、経営者自身が常に向上心を持ち、自らの殻を打ち破り、成長を続けていくことが大切です。


未来に向けた産業

事業を起こして、成長させるには、その事業が、自分に合ったものであるだけでなく、時代にも合った成長産業であることが必要です。では、これからどのような産業が成長していくであろうか、いくつかの角度から、考察します。

遊びに関わるもの

遊びといっても、定義は一様ではないですが、人は誰でも、苦痛は避け、快楽を求めます。短い人生をより楽しく生きたいというのは、当たり前の欲求であり、それは、文明が高度化するほど、強くなります。

我々を楽しませてくれることを、一様に遊びと考えると、ギャンブル、性産業だけでなく、飲食、レジャー、スポーツ、音楽など、様々なものが入ります。また、遊びはどんどん多様化、高度化しており、また、高いコストパーフォーマンスを求めるようになってきています。

丸亀製麺、スシロー、ユニクロ、ニトリ、JINS、H.I.Sなどは、品質と高いコスト・パーフォーマンスを認められているからこそ、支持されるのであって、この傾向は、今後もさらに強まり、遊びに対する人々が求める水準は、どんどん高くなるでしょう。

このように、あるカテゴリーについて、高度な遊びを提供する産業は、これからも、発展していくでしょう。

学びに関わるもの

遊びと学びもなかなか区別はつけにくいものですが、将来の収入への投資の意味を持つものを学びと考えると、学びでも、いい学校に入ったり、資格をとったりすることは、以前のように直接、収入にUPに繋がらなくなってきており、それよりも、投資や、起業、語学など、収入UPに直接繋がる学びにシフトしていくと考えます。

また、方法も、学校に行かなくても、インターネットを通じて、好きな時間、好きな場所で学ぶことが自由にできるようになっており、学び方の提供方法も、さらに大きく変化していくと言えます。

健康と長寿に関わるもの、人との繋がり

人は、できるだけ長い人生を健康でいたいと考えますので、健康及び、長寿に関わる産業は、今後も発展していくでしょう。

また、人は色々な人との繋がりを誰でも、どこかで求めています。従来型のSNSだけでなく、ネット上の婚活、恋人づくり、共通の趣味を持つ仲間との交流など、様々な特化型のソーシャル・メディが、これからも、発展していくでしょう。

以上、未来のビジネスについて考察しましたが、もちろん、ハイテクの例えば、人工知能、ロボットのような産業や、高度なソフトウェアの設計などは当然、未来に向けて発展していくでしょうが、ハイテク産業は、新規参入が難しい分野でもあります。

そのような技術を持ち合わせていない、普通の人であっても、優れたアイデアがあれば、それをビジネスに結びつけることは可能です。

まずは、何かをやってみることが大切ではないでしょうか。


キャッシュ・フロー経営とは

企業が成長、発展し、存続していくには、資金が必要です。資金が底をつけば、どんな大企業であっても倒産します。当たり前と思われていることですが、経営が順調であり、企業が急成長している時ほど、忘れ去れてしまうことが多いです。

利益とキャッシュ・フロー

その原因の最も大きな要因は、経営者が、キャッシュ・フローよりも、会計上の利益に目を向けるようになるからです。会計上の利益と、キャッシュ・フローには、会計処理のルールに従い、ずれが生じます。典型的な例としては、固定資産の減価償却があります。

また、会社の税金は、キャッシュ・フローをベースに算定されるのではなく、会計上の利益を基礎として算定されます。会社にお金があろうとなかろうと、利益に基づいて、計算された税金を一定の期日までに支払わなくてはなりません。

資金計画について

利益計画と同時に、資金計画が立てられていなければなりませんが、いつ、どれだけのお金を何のために支払い、どのように調達し、どのように増やしていくかということを、将来の期間について予測していくことは、難しいことです。予期しない支出の発生、資金調達の失敗、販売の不振など、想定外のことは、起こりうるからです。

従って、資金計画は、最悪のシナリオが実際に起きても、耐えうるものでなければなりません。順調に成長を続けていると、最悪のシナリオを想定することを怠れば、現実にそれが起こった場合に、資金が底をついてしまうということになります。

財務管理について

特に、急成長しているベンチャー企業については、そのビジネスモデルに酔ってしまい、財務管理が疎かになりがちです。これは、ベンチャー企業のみならず、売上が好調な企業にも言えることです。

財務管理は、間接業務ではなく、企業の生死に関わる重要な事項であるという認識を、経営者が持たなければいけません。財務管理が鉄壁であれば、予期せぬ事態が生じた時でも、資金繰りをなんとか、しのいでいくことができます。

資金調達について

キャッシュ・フロー経営というと、極力、借金をしない無借金経営を想像しますが、借金がダメということではなく、資金が底をつく状況にならないということが重要で、投資のために借金をしても、それを回収できる手段があるのなら、資金は底をつくことはありません。

従って、そのような手段を、常に多く持っていなければならないということです。これは、借入という手段だけでなく、資産の売却等も含まれます。

このようにキャッシュ・フロー経営は、企業にとって非常に重要な意義を持つことであり、経営における基本原理の一つと言えます。