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情報共有の大切さ

最近ニュースでも取り上げられているが、異なる部門間や組織の間で、情報共有ができなかったため、重大な病気を見落としたり、虐待が放置されてしまったり、それによって人の命を救うことができないような事態が起こっている。

同じ会社でも、部門が異なっているだけで、コミュニケーションが疎かになり、それぞれが情報を出さないことが、大きな問題を生むことになる。

なぜ、情報共有できないのか

これには様々な原因がある。それぞれの組織が、他の組織に干渉したり、干渉されたりということを好まないため、できるだけ、接触を避け、自部門だけで解決しようとしたり、責任の範囲を広げたくないという思いが、保身に繋がり、顧客サービスを阻害することは多々ある。

また、中には個人情報の漏洩のリスクの方が大きいと言う者もいる。だが実は個人情報の漏洩を心配しているのではなく、面倒臭いことに関わりたくないというのが本音だろう。

お役所仕事と言われるように、自分のテリトリーだけ守っていても、それが顧客にとっては、大きな不満要素になってしまう。

解決策は?

解決のためには、橋渡しとなる当事者以外の第3者の存在が重要になる。中立・公平な立場で俯瞰的に物事を見れる存在が必要なのだ。

事があってから気づくのは簡単だが、その前に、リスク要因を取り除かなければならない。そのような第3者の目を組織に必ず、設けておく事が重要だ。会社なら内部監査部門や、外部監査人、コンサルタントなどがそのような役割を果たすことになるだろう。

しかし、そのような調整役は、簡単な仕事ではない。明治維新における坂本龍馬は、正にそのようなコーディネーター役を果たすことで、大きな成果をもたらし、維新の最大の英雄となったのだ。

あなたの組織は大丈夫か?

情報共有が不足していることで、大きな問題を引き起こす可能性は、どの組織にもある。従って、組織が抱えているリスクを認識し、その芽を早く摘むための対策をとっておくことで、最悪の事態を避ける事が大切だ。

 


コンサルティングが要らない会社へ

理想の会社は、コンサルティング会社の支援なしに、自社で、自浄機能を備え、自律性、成長性を備えた会社だ。

そのような会社を創ることが、コンサルティングを行う役割である。

自社から、どれだけの価値が創造できるか

経営の神様と言われた松下幸之助さんの言葉に、「松下電器は、人を作る会社です。あわせて、電気製品も作っています。」という名言がある。

企業が人材を育成し、人が商品・サービスを生み出す訳だから、人を作ることが、まず第一であるという、なるほどと思わせる言葉だ。

しかし、現実的には、自社で育成するのは、時間を要するため、他社から出来上がった人を受け入れたり、外部の人材に頼ることも少なからずある。

しかし、自社で人材を育成する仕組みが整えば、他社の人材を使わずとも、自社から、有能な人材が多く輩出され、それによって、大きな価値を世の中にもたらすことができる。

人材を育成するためには

人材を育成するためには、自社の企業文化が確立されていなければならず、その企業文化自体も優れたものでなくてはならない。

自社で育成された人材が、経営者となれば、その理念は引き継がれていく。しかし、時代の変化と共に、企業文化も変わっていく必要があるなら、それは、新たな進化と捉え、変更していくことになるが、基本的な理念は大きく変わることはない。

自浄作用のある会社へ

そのような自己変革を、自社の力で行なっていける会社は、高い競争力を有し、持続的な成長を遂げていくことができる。

監査や、コンサルティング自体は無くなることはないが、その目的としては、監査がなくても、コンサルティングがなくても、自己管理や、変革のできる会社を創ることである。


経営学の嘘

私は、4年前に監査法人を退職し、自分で経営コンサルティング業を始めました。MBAを持っている訳でもないので、起業の準備段階から、様々なビジネス書を読み漁りました。それらの本を読めば、ビジネスにおける数々の問題解決の答えが見つかると思っていましたし、見つけたいとも思いました。

しかし、結果として、答えは見つかりませんでした。当たり前の事ですが、経営学に書かれている事例は、上場会社の1流企業の例がほとんどであり、それが全ての企業に当てはまる訳がありません。中小企業は、情報が一般に公開されておらず、また、優良企業を探し出すのも難しいので、ほとんど事例には、採用されません。

答えを求めてはいけない

本だけでなく、著名な方々のセミナーも多く出席しました。それによって、大きく自分の中で何かが変わったかというと、何も変わりませんでした。確かな事は、多くのお金を費やしたという事です。

もちろん、それらは「自己投資」という目的で、支出しているのですが、投資でも、株式のように100万円で買った株が、150万円になり、50%のリターンがあった、というような、目に見える形の成果は何もありませんでした。

しかし、答えを求めるという事が、そもそも無理だったという事に気づきました。答えは、自分が考えて見つけなければならず、ビジネス書は、自らが考えるための、ヒントを与えてくれるものでしかないという事です。

考え抜く力がビジネスを左右する

経営者は、考えるという事を避けては通れません。また、学校のテストのような標準的は答えなく、自分の頭で考えて、オリジナルの解を導き出さなければなりません。

もちろん、自分一人を頼るのではなく、他の人の知恵を借りる事も重要です。しかし、考えた結果、決断するのは、経営者自身です。

しかも、限れた時間の中で、決断しなければいけません。あらゆる状況を考慮し、早く、答えを導き出さなくてはなりません

それは、日頃から考える訓練を積んでいないと身につくものではありません。

考えている時に、浮かんでくるもの

考えて、問題解決の方法を見つけ出そうとしている際に、ふと、ビジネス書の一節や、セミナー講師の一言が浮かんでくる時があり、それが、問題解決のヒントを与えてくれる時があります。

それこそ、経営学やビジネス書の役割で、過去からの積み重ねが実務に反映される瞬間です。

経営学は何の役に立つかというと、それを読む事によって、考える訓練をし、アイデアを生み出すヒントを自分の中に蓄積する事ができるという事です。

経営学に書かれている事がそのまま、役立つのではなく、自分自身が、考え抜くための、一つの材料として役に立つのです。

ですから、経営学やビジネス書を読むのは嫌いで、全て、実践の中で思考力を身につけるというのもいいですし、結果としても、その方にとって、経営上の問題解決には支障はないでしょう。

しかし、考えるための手段として、利用し、自分のビジネスに役立てるという事は、決して無駄ではないのです。

結局、決断するのは経営者

経営者は、経営判断に際して、最終責任を負う訳ですが、どのような過程で、戦略を練り、判断を下すかは、千差万別です。

例えば、コンサルタントを活用する、しないも経営者が決める事で、活用しなければ必ずしもいい結果が出ないという事ではありません。

しかし、活用する事により、何かヒントが得られ、それが大きな成果に繋がる事は十分にあるのです。

ただし、答えだけを求めようとすると、期待した効果は得られないでしょう。

 

 

 


社外取締役が機能するためには

衆議院選挙が昨日台風の中、行われました。結果は大荒れではなく、大方のほぼ予想通り、自民党の勝利となりました。希望の党は、都議選の勢いを維持できず失速し、大敗しました。今後の政権運営の行方が注目されます。

さて、企業経営の話になりますが、最近、注目されているのは、大企業の不祥事です。日産、神戸製鋼の不正問題は、マスコミで大きく取り上げられました。このような際、必ず企業のガバナンスはどうなっているのか、という話題になります。

社外取締役の制度は、機能しているのか?

日本にも、社外取締役の制度は、定着した感はありますが、果たして、機能しているかというと、クエスチョンマークがついてしまいます。

なぜ、機能していないか、という問いには、さまざな理由がありますが、そもそも、月数回、取締役役会に出席するだけで、その会社のことが本当に理解できるのか、という疑問があります。

社外取締役は、他業界の出身の専門家が多く、もともと、その業界に精通している訳ではないし、ましてや、会社の業務に詳しい訳でもありません。しかし、他業界で培っている見識を、活かして欲しいという意図で採用されています。

従って、社外取締役自身が、その業界や会社のことを、もっと理解し、深く知るための努力が必要であるのに、それを十分に行なっていないケースが多く、それで、実効性など得られる訳がありません

選任する側にも、問題がある

社外取締役を選任する側は、過去の実績や、経験、地位などを参考にして決定する訳ですが、それは、あくまで、過去のもので、過去に実績があるから、現在も、いい仕事ができるかというと、そうではありません。

実務から離れ、引退後の小遣い稼ぎ感覚で、社外取締役を請け負っている人達が、真剣にその会社のために、自分の時間を削って、業務を執行するでしょうか?

「仕事人内閣」という言葉が使われていましたが、「仕事人社外役員」となるべく、意欲のある人を、探さなければいけません。株主の目を気にして、過去の肩書きばかりにとらわれていても、いい仕事は期待できないでしょう。

勤務日数を増やす

実効性のある業務を期待するなら、もう少し、社外取締役の勤務日数を増やしていく必要があるでしょう。従って、あまりに多くの会社を兼任することは、時間的に不可能になるはずです。

とはいっても、会社からの独立性は維持される必要があるので、常勤という訳ではなく、フレキシブルな形で、日数を増加させる方策を取るべきと考えます。

社外取締役の活用で、会社はもっとよくなる

社外取締役が、有効に機能すれば、会社はもっとよくなり、成長を加速させることができます。

経営者と、社外取締役がお互いを認め合う関係を構築し、相互に自由闊達な意見を交わすことができれば、自社だけでは、生まれなかったアイデアや、戦略が湧き出ることもあるでしょう。

そのためには、経営者側、社外取締役の双方の意識を変えていく必要があります。


成果主義は、正しいか?

現在では、当たり前のように、採用されている、成果主義による人事評価ですが、かつて、日本的経営の象徴と言えば、新規一括採用、年功序列でした。

現在でも、年功序列制度を貫き、好業績を上げている企業もあります。

成果主義のデメリット

成果主義は、一見公平な制度にも、見えますが、成果主義により、社内の派閥が生じたり、社内人事に関心がいき、顧客が軽視される、社内の人間関係がぎくしゃくする、リストラの口実にされるなど、弊害もあります。

欧米式の成果主義をそっくり真似て、日本の風土を考慮せずに採用することで、失敗するケースも多々あります。

仕事に成果を求めるのは当然

成果主義を採用せずとも、仕事に成果を求めるのは、当然であり、成果主義を導入したからと言って、会社全体の成果が向上するとは、必ずしも言えません。

仕事に成果を上げる方法が、成果主義を導入することと直結はしないのです。

動機付けが重要

個人の成果をあげるためには、動機付けが必要ですが、それは、必ずしも、金銭面だけとは限りません。

仕事自体にやりがいを感じていなければ、成果は出ませんので、そのような動機付けがどのような方法によって得られるのか、たくさんの選択肢があるはずです。

その中で、様々な施策を打つことが重要です。

従業員、一人、一人を大切に

個人レベルに落として、能力が最大に発揮できるように考慮することで、高い生産性が生まれます。

ですので、生産性に関して言えば、大企業よりも、中小企業の方が優れている場合も多いのです。

人の力を最大限に活用する企業が、生き残る

企業のもっと重要な資産は人であり、人を大切にし、人の能力を最大限に活用できる企業が、これからも、優良企業として、生き残っていきます。

大企業であっても、一人一人の人を大切にできない企業は、衰退し、いずれは消えてなくなることは自明のことなのです。


会社の問題解決のために

どんな会社であっても、中小、零細企業だけでなく、年商1兆円を超える大企業であっても、どんな優良企業であっても、多かれ少なかれ、様々な問題を抱えています。

問題とわかっている場合もあれば、何が問題なのかわからず、実際に何か起きてしまってから、気づく場合もあります。

問題に気づき、解決すべき課題として、対策を打っても、なかなか解決に至らない場合もあります。

問題が何かを突き詰める

問題を解決するためには、何が根本的な問題なのかをはっきり特定させる必要があります。表面上だけでなく、根本的な問題を突き詰めることです。

その際は、トヨタでも用いられている、なぜを5回繰り返すことが有効です。つまり、よく考えるということです。

考え抜いた結果、根本的な問題がわかったら、これを如何に解決するかということになります。

問題解決のために

問題解決のためには、解決プランを立て、実行していくことになります。解決案も様々なものが検討されることになりますが、その中でベストなものを一つ選び、実行します。

解決案が、なかなか出てこない場合も多いですし、本当に手詰まりになってしまうことも、多々あります。そんな時は、今までとは、全く異なる視点が必要になります。

そのアイデアは、経営者から生まれなくても、従業員からでも、外部のコンサルティングからでも構いません。

要は、もっとも、適切な解決策を策定し、実行することです。

解決策の実行

実行には、トップの強力なリーダーシップが必要です。例え、解決策が優れていても、実行されないことには、話になりません。また、実行も、時間の制約があるため、スピードが求められます。

実行した後は、実際の成果を数字で確かめることで、そのプロジェクトが成功したかどうかが判断できます。

問題は、日々起こる

何も起こらないことを良しとする、事なかれ主義がはびこると、問題解決のスキルが磨かれず、問題が解決されないまま、放置されてしまいます。そして、いずれ、大きな爆発を起こすのです。

日々起こる問題を解決していくことが、特別のことではなく、当たり前のように行うことで、問題解決のスキルが磨かれ、より、よい会社へ成長することができます。


企業のIR戦略について

なぜ、自社の株は、上がらない?

株価が、企業の業績や、財務内容に比して、割安のまま、長期間放置され続けるには、以下のような様々な理由があります。

・過去に不祥事等があった

・外部環境の変化で、企業の存続が危ぶまれるリスクが高い。

・経営者の手腕に疑念がある。

・そもそも、何の事業をやりたいのか、良くわからない。

など

IR戦略をどのように打ち出すか?

投資家に対して、会社のことをもっと理解してもらうために、IR戦略は欠かせませんが、これについて、費用対効果を高めていくことは、上場企業にとって、大きな課題です。

最近では、統合報告書を作成し、各社、工夫をこらし、無味乾燥な有価証券報告書では伝わらない、会社の事業内容、戦略について、アピールを行うようになりました。

ただ、会社のファンを継続的に増やし、投資意欲を湧きたてさせるのは、なかなか困難な仕事です。

基本となるのは、会社の存在意義

IR戦略を打ち出す上で、基本となるのは、この会社は、そもそもなぜ、存在しているのか、この会社はどうして、存在していなければならないのかという、存在意義について、現在から将来へ向けたビジョンが必要となります。

それにより、投資家がその事業の意義と、人々に提供する大きな価値を理解することができます。

IR戦略の成否は、会社の明暗を分ける

iR戦略は、会社によって様々ですが、いい商品、いいサービスを提供するだけでなく、事業自体の価値を発信し、理解を得ていくことは、会社が持続的成長を続け、いい会社であり続けるためには、決して軽視することはできません。

また、本人、外国人も含め、世界に対してどのようにアピールするかという視点でプレゼンテーションの戦略を練ることになります。


いい経営者の条件

会社は、経営者によって、9割方決まってしまうというのが私の持論です。これは、中小企業だけでなく、大企業にも当てはまると考えています。従って、経営者の資質が、その会社の命運を握っていると言えます。

では、経営者にとって、必要な資質は、どのようなものがあるでしょうか?年齢、学歴、性別は、私は一切関係ないと考えます。しかし、以下の3つ要件が、必ず必要です。その3つは、「即断即決」「客観的な視点」「ビジョンと理念」です。

即断即決

残念ながら、経営者でも、即断即決ができず、物事、特に嫌なことを先延ばしする傾向にある人は多くいます。そのような人達に共通して感じるのは、時間の価値を過小評価しているこということです。熟考に時間をかけているために、遅れている訳ではないのです。

時間は、すべての人にとって最も貴重な資源であり、お金以上に大切なものです。そこがわからずに、わずかな金を失うの惜しんで、もっと大切な時間を失って、経営上の損失を膨らませたり、重要な機会を損なうケースは、枚挙に暇がありません。

いい経営者に共通するのは、決断の質が高く、スピードが速いことです。これは、意識的にそのように訓練させているからだと思います。

上記のことから、いい経営者の第1条件は、即断即決としました。

客観的な視点

これはどのようなことかというと、自分自身は、自分の会社をまるで、他人が見たような目で、冷静に評価し、その結果に基づき、戦略を立てることができるということです。

人は、なかなか自分中心の考えから、離れることはできませんが、いい経営者は、顧客やユーザーの視点に立って物事を考えることができる素直な視点を持っているからこそ、次々と素晴らしい商品や、サービスを生み出し続けていると言えます。

ビジョンと理念

最後は、ビジョンと理念です。自分は、なぜこの事業を行うのか、この事業によって、世の中にどのようなインパクトを与えるのかを、優れた経営者は、常に意識しています。そのため、たとえ、上場会社であり、株主から利益に対する圧力がかかっても、決しぶれることがありません。

この点がぶれると、どんな立派な会社でも、不正に手を染めたり、非人道的な手段を行使するようになります。これは、決して、綺麗事なのではなく、事業を行うことの本質を経営者が理解しているかどうかなのです。たとえ、創業者でなくても、経営者は、自社の事業の本質を理解していなければなりません。

以上、3つをいい経営者に必須の条件として、挙げさせていただきました。

いい経営者がもっと、もっと増えていくことで、日本経済はさらに発展し、人々の生活も豊かになっていきます。

そのためには、経営者自身が常に向上心を持ち、自らの殻を打ち破り、成長を続けていくことが大切です。


キャッシュ・フロー経営とは

企業が成長、発展し、存続していくには、資金が必要です。資金が底をつけば、どんな大企業であっても倒産します。当たり前と思われていることですが、経営が順調であり、企業が急成長している時ほど、忘れ去れてしまうことが多いです。

利益とキャッシュ・フロー

その原因の最も大きな要因は、経営者が、キャッシュ・フローよりも、会計上の利益に目を向けるようになるからです。会計上の利益と、キャッシュ・フローには、会計処理のルールに従い、ずれが生じます。典型的な例としては、固定資産の減価償却があります。

また、会社の税金は、キャッシュ・フローをベースに算定されるのではなく、会計上の利益を基礎として算定されます。会社にお金があろうとなかろうと、利益に基づいて、計算された税金を一定の期日までに支払わなくてはなりません。

資金計画について

利益計画と同時に、資金計画が立てられていなければなりませんが、いつ、どれだけのお金を何のために支払い、どのように調達し、どのように増やしていくかということを、将来の期間について予測していくことは、難しいことです。予期しない支出の発生、資金調達の失敗、販売の不振など、想定外のことは、起こりうるからです。

従って、資金計画は、最悪のシナリオが実際に起きても、耐えうるものでなければなりません。順調に成長を続けていると、最悪のシナリオを想定することを怠れば、現実にそれが起こった場合に、資金が底をついてしまうということになります。

財務管理について

特に、急成長しているベンチャー企業については、そのビジネスモデルに酔ってしまい、財務管理が疎かになりがちです。これは、ベンチャー企業のみならず、売上が好調な企業にも言えることです。

財務管理は、間接業務ではなく、企業の生死に関わる重要な事項であるという認識を、経営者が持たなければいけません。財務管理が鉄壁であれば、予期せぬ事態が生じた時でも、資金繰りをなんとか、しのいでいくことができます。

資金調達について

キャッシュ・フロー経営というと、極力、借金をしない無借金経営を想像しますが、借金がダメということではなく、資金が底をつく状況にならないということが重要で、投資のために借金をしても、それを回収できる手段があるのなら、資金は底をつくことはありません。

従って、そのような手段を、常に多く持っていなければならないということです。これは、借入という手段だけでなく、資産の売却等も含まれます。

このようにキャッシュ・フロー経営は、企業にとって非常に重要な意義を持つことであり、経営における基本原理の一つと言えます。


企業文化が、業績に与える影響

企業文化は、創業者が打ち立てた企業理念が継承されて、文化として、会社全体に浸透しているものが多いですが、経営者や、時代の変遷によっても、変化していくものでもあります。

企業文化は企業業績に大きな影響を与えます。企業文化が、企業業績にどのような影響を与えるかについて述べます。

企業文化が、従業員の行動に与える影響

企業文化は、社風とも呼ばれるもので、従業員は、企業文化から、導かれる行動指針により、会社の中で、仕事を行います。

企業文化は、従業員の職業倫理や、価値観の拠り所ともなります。従って、企業理念等をアナウンスし、それによって、従業員の行動を促すことは、経営者の責任であり、経営者が自ら行わなくてはいけません。

企業文化は、また、グループ会社を含めた会社組織全体に浸透させなければなりません。そうしないと、会社全体としての方向性が定まらず、従業員の能力を結集させることができません。

採用の際にも、企業文化について、理解し、これに賛同できる人員を雇用しなければなりません。

組織の規模の拡大と、企業文化

会社が、小さいうちは、企業文化を社内に浸透させることは、それほど、困難ではありません。しかし、会社の規模が拡大し、M&A等を繰り返して、成長していくにつれ、企業文化を浸透させることが困難になります。

特にM&Aの場合で、吸収する側と、される側とで、大きく企業文化が異なっているようなケースでは、新しい企業文化を受け入れてもらうための、時間も労力もかかります。

しかし、企業文化を統一することができなければ、求心力を持って経営することは不可能になり、規模は大きくなっても、経営は弱体化し、業績も落ちてしまいます。

企業文化の重要性を認識すること

企業文化は、以上のように、従業員の行動や、企業業績に大きな影響与えるため、その重要性を認識することが第一歩となります。

また、経営者は、企業規模の拡大や、時代の変遷に従い、企業文化を柔軟に変えていくことも、必要です。

自社独自の企業文化が、組織全体に浸透すれば、企業はその価値をさらに高め、従業員の能力を十分に発揮させることができ、業績も向上することになります。

ダイバーシティと企業文化

昨今、ダイバーシティ経営ということで、人材の多様性が求めらていますが、いくら、多様な人材が集まっても、それぞれが、ばらばらの方向を向いて、行動していたら、それぞれの能力を発揮させることはできません。そのためには、強力で魅力的な企業文化が必要です。

終身雇用形態が、日本においても、崩れつつあります。しかし、魅力ある企業文化がなければ、人を集めることはできません。また、企業文化が魅力的であれば、できるだけ長く、その会社で働きたいと思うでしょう。

以上のように、企業文化は、会社によって、大きな拠り所であり、企業活動における土台となるものです。